クラウドサービスの正しい使い方

クラウドサービスの正しい使い方はどういったものになるでしょう。あまりたくさんの情報をクラウドへ預けるのは危険な気がしますが、クラウドへ預けることになったことが理由で従来携帯電話やPDAへ保存していたような情報を持ち歩けなくなるというのも、もったいない気がします。

新年になって、TODOリストの管理方法について、考えることが多いわけですが、一番手っ取り早いのはメモ帳のようなシンプルなエディタへずらずらと書いていく方法ではないかという気がしています。極端すぎますが、クラウドへ思いついた作業項目をとにかくメモという形のテキストデータであげておくということです。入力はシンプルにするのが一番です。後で順番を入れ替えるといった加工をしたり、他のTODO項目とマージするといったことも、やりやすいし、必要最低限のことしか記載しなければ、クラウドにあっても情報漏洩も限定されます。

エディタを使うと人力で作業する分量が増えそうなので、「最初からTODO管理アプリを使った方が簡単なはずだ」と考える人も多いはずです。筆者もそう考えて、最初に「iCloudのリマインダー」か「Googleのタスク」を使おうかと思ったのですが、使い勝手が悪そうでした。ちなみに、筆者はGTDをベースにメールとカレンダを組み合わせて昨年はTODO管理をしていました。途中で崩壊して管理ができなくなったという反省から、今回見直しをしています。崩壊の原因は、おそらく手作業で対応しないといけないことが多すぎたからなので、人力で作業する分量が増えるメソッドではダメです。

さて、話を戻しますと、iCloudeリマインダーもGoogleタスクもスマートフォンでの入力はどちらも大して変わらないのですが、PCからの入力については、AppleのものはMacBookからなら簡単にできそうですが、Webブラウザからの入力には難があります。ひとつひとつメニューから「新規リマインダーを追加」と選んでからでないと追加できないのはいただけません。Linux, Windows, Mac を使っている身としてはMacBookからしか入力できない、という時点でアウトです。ということで、iCloudリマインダーはやめました。

GoogleのタスクはWebインタフェースでの入力が結構良くできています。ただし、並び替えが大変です。iPhoneで表示させるには、http://mail.google.com/tasks/iphoneにアクセスすると「Gmail」のToDoリストを開くことができるようになります。そこそこに使いやすいので、これを使うというのはいけそうな気がします。

ただし、これまでの経験上では、タスクはたまっていくものなので、管理機能には、重要なもの・そうでないもの、スケジュールされているもの・されていないもの、いますぐやりたいもの・将来やりたいもの、といったことを分類して入力しつつ、時系列で実行するべきものが並んでいる、といった要求があるのですが、これをうまく実現できそうにない、という気がしています。カレンダーが密接に関係してくるので、そもそもGoogleタスクだけでは対応しにくいのですが、自力で対応付けやマーキングをするにしても、後で加工しやすいデータで入力ができないといけません。そこが気になっています。

ちなみに、iPhone、Androidともに、iGoogleを入り口にすると、Googleのサービスは大体ブラウザで利用できるようなので、重宝します。iGoogleへログインして、各機能を利用しようとすると、フルバージョンがアプリである場合は紹介してくれますし、そうでない場合はWebアプリで使えるようになっています。このあたり、Webアプリ系に強いのが、Googleの強みです。なお、iCloudではドキュメント系がAppleの製品を購入しないと使えないようで、しかも、おそらくですが、スマートフォン用とMacBook用とは別途購入が必要そうです。PCでLibreOfficeを使ってドキュメントを作ることが多いので、そういうユーザにとっては、Google Doc を使った方が良さそうです。Googleの世界、Appleの世界、Windowsの世界、Sonyの世界、Yahooの世界、といろいろ選択肢はありますが、Webインタフェースを使うならGoogleが先行している気がします。

クラウドサービスは、この他にもたくさんあるので、どのように利用するかは全体的に作業効率が高まる方法を採用するということで良いのですが、情報管理も伴っている必要があるところが難しいところです。また、データの加工・再利用がどれくらいやりやすいのか、といったこともポイントとしてあります。基本的にPCを母艦として利用している人にとっては、タスクなどのデータもPCで加工・再利用できるようになっている必要がありますし、スマートフォン側でも利用・入力ができるようにしておきたいはずです。PCとスマートフォンとのデータ同期で問題が発生しないように、クラウドを利用したくなるのですが、クラウドだけで一元管理をしようとしても、なかなかうまくいきません。それは、連携させたいアプリケーションがどういったものなのか、PCへ入力することが多いのか、スマートフォンでは見ることが多いのか、といった個人の利用環境に大きく依存するからです。

Apple製品が提供するサービスを利用していれば充分だという人は、Appleがサービスや機能を提供するまで待てば良いのですが、なかなかAppleが自分の欲しいものを提供してくれませんから、自作ができる人はGoogleが提供するサービスの方が使いやすいと考えるはずです。ただし、Googleも最近はリソースをどこへ集中させるかを限定させてきていますから、以外とAPIを提供しているYahooのサービスが使いやすいかもしれません。

ここで、「Toodledo : A to-do list to organize your tasks」みたいな連携できるサービスを使うというのはひとつの方法ですが、よく考えると、これってGoogleにもAppleにもToodledoにもデータを渡すということになって、あんまり幸せそうにみえません。便利そうなのですが、データがたくさんのところへ分散してリスクも高くなりますから個人的には除外しています。こういうのも便利といえば便利ですから、使用方法を限定すればうまく使えるのでしょう。

以上のことを考えてみると、結局のところ、著者にあったTODO管理のメソッドは、次のようになりそうです。手作業が必要なところがありますが、これは簡単にできるような仕組みが必要だということになります。プログラムを使って自動化が一番良いのですが、これができるかどうか、なかなか難しいところです。プログラムを間にいれることができるかどうか、というのが、どのクラウドサービスを採用するかに大きく影響することでしょう。

  • GTDベース
  • 入力はテキストで一覧を作成してクラウドへ保存
  • 必要なものだけGoogleタスクへ
  • 日程が決まっているものはカレンダーへ記録
  • 実施したものはカレンダーへ記録

ここでは、TODO管理アプリを例にして、クラウドサービスの正しい使い方について考えてみました。自分のメソッドにあったTODO管理アプリというのを探し出すことが大変な状況では、データの再利用性を高めて、情報管理をしつつ、クラウドへデータを預ける、といったことが必要なので、そういったことも考えて選択をすることにしましょう。

世の中ではいろいろとタスク管理についての書籍もでているので興味のある人は読んでみてはどうでしょうか。

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