最近必要性があり、modern.IE を使ってInternet Explorerでのサイト表示確認することができます。手元に仮想マシンで大体の環境は用意してあるのですが、せっかくMicrosoftが用意してくれているので、試してみました。
「ホーム | Internet Explorer の検証がより簡単に | modern.IE」がmodern.IEのサイトになります。仮想環境をクリックすると「Cross-browser testing simplified | Internet Explorer の検証がより簡単に | modern.IE」というページが開きます。
「目的のOSを選択してください」でLinuxを選ぶと、「仮想環境のプラットフォームを選択してください」にVirtualBoxが選べるようになります。OSの選択では、Windows、MacOS Xも指定できて、各OSに対応した仮想環境を選べますから、好みの組み合わせを選べばいいでしょう。2013-05-11時点でOSにLinuxを指定すると、VirtualBoxだけ選べました。
ダウンロード
各環境に必要なファイルの一覧が出るので下記のようにして取得します。例えば、IE8+Win7の環境のように複数のファイルが必要な場合はIE8.Win7.For.LinuxVirtualBox.txtに一覧情報が入っているので、これを使ってダウンロードをします。
端末アプリを起動して、下記のようにします。
$ baseURL="http://virtualization.modern.ie/vhd/IEKitV1_Final/VirtualBox/Linux" $ wget -i ${baseURL}/IE8_Win7/IE8.Win7.For.LinuxVirtualBox.txt
IE6+WinXPの環境のような単体ファイルの場合は下記のようにします。
$ baseURL="http://modernievirt.blob.core.windows.net/vhd/IEKitV1_Final/VirtualBox/Linux" $ wget ${baseURL}/IE6_XP/IE6.WinXP.For.LinuxVirtualBox.sfx
baserURLや指定するファイル名はダウンロードする対象によって変わりますから、Webサイトで確認してください。
仮想アプライアンスファイルの生成
すべてのファイルをダウンロードしたら、拡張子が sfx であるファイルについては、下記のようにして実行権を付与します。
$ chmod +x IE6.WinXP.For.LinuxVirtualBox.sfx
sfxファイルを実行すると、必要な仮想アプライアンスファイル「IE6 – WinXP.ova」が作成されますから、これを VirtualBox へインポートすれば使えるようになります。
$ ./IE6.WinXP.For.LinuxVirtualBox.sfx
トラブルシューティング
手元の Fedora 18 の環境$ Fedora release 18 (Spherical Cow) では、下記のパッケージを追加インストールする必要がありました。
$ sudo yum install ld-linux.so.2 $ sudo yum -y install libstdc++.so.6
これらのパッケージが必要だとわかったのは、実行時に下記のようなエラーが出たからです。
$ ./IE6.WinXP.For.LinuxVirtualBox.sfx bash: ./IE6.WinXP.For.LinuxVirtualBox.sfx: /lib/ld-linux.so.2: bad ELF interpreter: そのようなファイルやディレクトリはありません $ ./IE6.WinXP.For.LinuxVirtualBox.sfx ./IE6.WinXP.For.LinuxVirtualBox.sfx: error while loading shared libraries: libstdc++.so.6: cannot open shared object file: No such file or directory
仮想アプライアンスファイルをVirtualBoxへインポート
仮想アプライアンスファイルをVirtualBoxへインポートするのは簡単です。
- VirtualBoxのメニューで[ファイル]-[仮想アプライアンスのインポート]を指定
- 表示されるダイアログボックスで[アプライアンスを開く]ボタンをクリック
- 先ほど生成した「IE6 – WinXP.ova」を指定
- 後はウィザードに従って仮想マシンを作成するだけ
仮想マシンが作成できたら、起動して使ってみましょう。Internet Explorerを使って表示確認できることがわかります。
キーボードの設定
起動して使ってみると、キーボードが英語キーボードになっていることに気がつきます。日本語のキーボードが使えるようにしましょう。
- Startメニューで My Computerをマウス右ボタンクリック
- Propertyをクリック
- Hardwareタブをクリック
- Device Managerボタンをクリック
- 表示されたダイアログ内にあるKeyboardsの左にある「+」をクリックして開く
- Standard 101/102-Key or Microsoft Natural PS/2 Keyboardをマウス右ボタンクリック
- UpdateDriverを指定
- Can Windows connect to Windows Update to search for software? には No, not this timeを選択
- What do you want the wizard to do? には Install from a list or specific location (Advanced)を選択
- Please choose your search and installation options. には Don’t search, I will choose the driver to installを選択
- Select the device driver you want to install for this hardware. には、Show compatible hardware のチェックをはずす
- Model から Japanese PS/2 Keyboard(106/109 Key)を選択
これで、日本語キーボードが使えるようになります。
時刻の設定
時刻の設定については、Control Panel の Date and Time を開いて指定します。
- Control Panel を開く
- Time Zoneタブを開く
- (GMT+09:00) Osaka, Sapporo, Tokyo を指定
Windows XP の場合は英語表示
ここで、Windows XP は英語版が提供されています。Windows Vista, Windows7, Windows8 については日本語環境も含まれているようです。
日本語フォントの表示の問題だけを解決したいのなら、Windowsのフォントを持ってくれば Internet Explorer は日本語表示にできます。タイトル部分はシステムを日本語環境にする必要があるので正しく表示はできませんが、レイアウト崩れなどの確認では大きな問題にはならないでしょう。具体的な作業としては、msgothic.ttc, msmincho.ttc といったフォントファイルを C:\Windows\Fontsへコピーするだけです。こちらはフォントの利用ライセンスがないと問題になりそうです。きちんと確認したわけではないのですが、Windows XP Professional SP3 を利用できるライセンスを持っていて、それを使ってインストールしたマシンをこの環境を稼働しているときに同時に使わないのなら、こういったフォントの利用についてライセンス上の問題はないと考えています。
これは、IE6の動作確認を本来はユーザのマシンでできる手段をMicrosoftは提供するべきですが、セキュリティ上の問題があってIEをバージョンアップするとIE6を使えないようにしています。同時に使える環境をMicrosoftが提供していないことへの代替手段としてmodern.IEの仮想マシンを提供しているのですから、ここでライセンスを持っているユーザがこのフォントをここへ持ってきて使えないとなるということはないはずです。この解釈はMicrosoftへ確認はしたものではありません。パッケージ版の Windows XP Professional を購入していない場合でも良さそうですが、そのあたりの判断は自身でお願いします。
フォントの利用ライセンスに不安がある場合はフリーの日本語フォントをインストールして、それを使うようにIEの設定をすれば良いでしょう。例えば、「花園フォント プロジェクト日本語トップページ – SourceForge.JP」や「IPAフォント プロジェクト日本語トップページ – SourceForge.JP」といったものがあります。
なお、フォントインストールをしただけでは、IEに表示されるページのタイトルは英語のままです。また日本語入力ができません。ページのタイトルは仕方がありませんが、日本語入力は問題になるかもしれません。仮想マシンの設定を変更して、クリップボードを双方向で使えるようにすれば、ホスト側で日本語データを用意して、コピーしてゲスト側のIE6+WinXPへペーストするといったことが可能です。Google日本語入力とかインストールできないのかと思いましたが、そもそも日本語環境がインストールされていないため、難しいようです。
後、Windows Updateをするためにはライセンス認証が必要で、それをするとWindows7の購入を促されるので、何かの間違いでセキュリティ上問題のあるサイトへアクセスしてしまったりすると問題になることがあるかもしれません。レイアウトチェックにしか使わないようにして、セキュリティチェックは最新の環境で行ってから、こちらの環境は使うようにするのが良さそうです。
Windows XP 英語版で日本語環境を構築する方法については、「Windows XP 英語版で日本語環境を構築する | hiro345」をご覧ください。
Windows XP やWindows8 のメディアは下記から入手できます。XPはいまさらですが。
- Microsoft Windows XP Professional SP3 CD-ROM(再生PC版) + メモリセット
- Microsoft Windows 8 (DSP版) 64bit 日本語(新規インストール用)