Hyper-V 仮想マシン内で WSL2 を使う- Intel N100 ミニ PC で構築する開発環境(5日目)

ミニPC (CPU: Intel n100) を購入しました。Windows でも Ubuntu でも使えるようにして、「Intel N100 ミニ PC で構築する開発環境(2日目) | hiro345」で紹介した環境を用意していくつもりです。

最初から読むこともできます。目次もあります。)

 今回は、Windows Pro の Hyper-V を使って Windows 11 の評価版が動く仮想マシンを使ってみました。また、その仮想マシンで WSL2 を動かしてみました。仮想マシンで試してから、N100 マシンを本格的に設定するという手順を踏みたいからです。

Hyper-V の有効化

 Windows Pro だと Hyper-V という仮想化ソフトウェアが使えます。これを使うと、仮想マシンを作成して利用することができるようになります。初期設定では有効になっていなかったので、設定を有効にしました。

 設定は簡単で、Windows の検索ボックスで「Windows の機能の有効化または無効化」を検索して、この画面を開いて Hyper-V を有効にするだけです。設定したら再起動をすると、Hyper-V マネージャーのアプリで仮想マシンが作成できるようになります。

Windows 11 の評価版が動く仮想マシンのインポート

 次に、Microsoft が提供している Windows 11 の評価版が動く仮想マシンをダウンロードしてインポートしてみました。この仮想マシンのイメージファイルは ZIP 形式のファイルフォーマットでアーカイブされているので、これを展開してからインポートします。ZIP ファイルを展開すると、VHDX というファイルフォーマットのイメージファイルが用意されます。これを Hyper-V マネージャーのアプリでインポートすると、仮想マシンが使えるようになります。

 ここでは、インポートしたマシンは WinDev2311Eval という名前にして使ってみました。普通のパソコンと同じように、起動したり停止したりすることができます。CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークなどの基本的な設定を確認してから、起動してみました。

 ここで、Hyper-V ではパソコンの画面を表示するには接続が必要です。接続方法には基本接続と拡張接続があります。基本接続は直接仮想マシンへ接続して操作するモードですがファイルの共有などがそのままではできません。拡張接続はリモートデスクトップ経由で仮想マシンへ接続して操作するモードでファイルの共有などに対応しています。最初は基本接続で接続して基本的な設定をしました。

Windows 11 評価版のアップデートとリモートデスクトップ設定

 N100 ミニ PC の Windows で設定したのとほぼ同じような感じで設定をしました。今回使っている仮想マシンの設定 Windows は英語環境なのですが、メニューは日本語版と変わらないので、画面を見比べながら作業をすれば、あまり困らずの設定ができます。

 セキュリティアップデートとウィルス対策の設定をしてから、この仮想マシンについてもリモートから操作できたら便利なので、リモートデスクトップの機能を有効にしました。

Windows 11 評価版の日本語環境設定

 英語環境でも何とかなりますが、やはり不便なので日本語環境へ変更しました。「Time and language」の「Region and language」あたりから変更しました。日本語環境に必要なファイルは追加が必要なので、「Add a language」から「日本語」を追加したりもしました。

 日本語環境に必要なファイルが追加できたら、キーボードのレイアウトに日本語キーボードが追加されるので、それも使うように設定変更しました。設定が終わったら、サインアウトします。その後、再度サインインすると、メニューが日本語になり、日本語入力もできるようになります。

 メニューが日本語になったところで、時刻と言語、地域、キーボードのレイアウトなど設定を一通り確認しました。自分の場合は、地域の設定が US となっていて、設定漏れがあったので直しました。

ホストマシンとゲストマシンのファイル共有

 仮想化ソフトウェアでは、仮想化ソフトウェアが動作するマシンをホストマシン、仮想マシンで動作するマシンをゲストマシンと呼びます。ゲストマシンで作業をしていると、ホストマシンとファイル共有がしたくなることがよくあります。

 Hyper-V では、拡張接続をするときに、オプション指定でホストマシンのディスクや USB デバイスをゲストマシンでも使えるようにすることができます。この機能を使って、ホストマシンとゲストマシンのファイル共有をしてみました。Windows エクスプローラーを使って、簡単にファイルが共有できました。

仮想マシン内で WSL2 を動かす

 WinDev2311Eval 仮想マシンでは WSL2 があらかじめインストールされています。ただし、そのままでは動かすことができませんでした。WSL2 を実行するには仮想マシン支援用の機能が必要で、それを仮想マシン内で有効にする必要があるからです。これを有効にするには、N100 マシンの Windows(ホストマシン)であるコマンドを実行する必要があります。WinDev2311Eval 仮想マシンが動いているとエラーになるので、仮想マシンを停止してから、次のコマンドを管理者権限で起動した PowerShell で実行しました。

Set-VMProcessor -VMName WinDev2311Eval -ExposeVirtualizationExtension $true

 それから、WinDev2311Eval 仮想マシンを起動し、接続してから WSL2 を使用したところ、きちんと動作しました。こういった環境を用意しておくと、ホストマシンで WSL2 を使ってトラブルが起きたときに、仮想マシン内の WSL2 で調査することができたりします。また、本格的に WSL2 を使ってみる前に、仮想マシン内でいろいろ試してみるのも良いと考えています。使い方に慣れてきてからホストマシンで WSL2 を使うようにした方が、トラブルになりにくいはずです。

 仮想マシン内で WSL2 が動かせるというのは、ありがたいことですね。

 ということで、本日はここまで。

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