Hyper-V 仮想マシン内で VirtualBox を使う- Intel N100 ミニ PC で構築する開発環境(7日目)

ミニPC (CPU: Intel n100) を購入しました。Windows でも Ubuntu でも使えるようにして、「Intel N100 ミニ PC で構築する開発環境(2日目) | hiro345」で紹介した環境を用意していくつもりです。

最初から読むこともできます。目次もあります。)

 今回は、Hyper-V 仮想マシンとして作成した WinDev2311Eval 仮想マシン(Windows 11 評価版)で VirtualBox をインスールして、そこで Ubuntu の仮想マシンが作成できるか試してみました。そのときの手順を簡単に紹介します。

 準備として、VirtualBox と Ubuntu Desktop 日本語 Remix のサイトにあるダウンロードのページから、インストーラをダウンロードしておきます。

VirtualBox

 VirtualBox は OSS の仮想化ソフトウェアです。Windows、macOS、Linux に対応しているので、ホストとなるパソコンの OS を変更しても、ゲストの仮想マシンを動かすことができる点が魅力的です。

 また、USB デバイスの利用もしやすいです。個人であれば無償で利用できる拡張機能もあり、それを使うと USB 2.0、USB 3.0 のデバイスも仮想マシンから使うことができるようになります。USB パススルー機能というものが用意されていて、仮想マシンからホストマシンに接続した USB デバイスを、あたかも仮想マシンに接続した USB デバイスであるかのように利用することもできます。

 この機能が使えると、ホストマシンだと練習がしにくい USB メモリへの ISO ファイルの書き込みや、USB メモリのディスク操作といったことが手軽にできるようになります。

 Hyper-V の仮想マシンでは WSL2 が動作するので、もしかしたら VirtualBox が動作するかもしれないと思ってインストールしてみました。もし仮想マシンが動かなかったとしても、インストール時の手順確認はできるはずですし、VirtualBox の画面確認ぐらいはできるだろうと考えてやってみました。

 ただし、WinDev2311Eval 仮想マシンでは USB コントローラーがないので、そもそも USB デバイスを扱うことができません。また、VirtualBox のような USB パススルー機能はないので、USB 関連の機能についてはインストールしないでおきました。また、Oracle VM VirtualBox API のための Python サポート機能もありますが、これを有効にすると、Windows へ Python をインストールする必要がでてくるので、ここではインストールしないでおきました。

 VirtualBox のインストールは普通にできました。

VirtualBoxの仮想マシン

 次に、VirtualBoxで仮想マシンを新規作成しました。普通に動いて仮想マシンを作成することができました。このとき、設定で UEFI を使うように指定しました。それから、作成した仮想マシンを起動したところ動いている感じでした。もう少し確認するために、仮想マシンの電源をリセットして、ESC キーを連打してみることにしました。正常に動作する場合は、これで仮想マシン用の UEFI の設定画面が出せます。実際にやってみると、きちんと動作することがわかりました。

 これは、なかなか凄いことです。前回の Hyper-V 仮想マシン内で Docker Desktop と WSL2 が動作することに続いて、VirtualBox まで動作するなんて、少し興奮してきてしまいます。これまでは実マシンを使わないと確認できなかったことが、こういう環境を用意することで、仮想マシン上で確認できるようになります。さすがに、実マシンと同じぐらいの速度で動作するということはないので、そこそこ余計に時間がかかりはしますが、やりなおしができる環境があるというのはありがたいことです。

 このあたりは、単に VirtualBox を使うだけならありがたみはあまり感じないと思いますが、自分のように VirtualBox の説明を書いたり、入門用の記事を書いたりする人からすると、現在使っている環境とは別に、こうやって試せる環境があるというのは作業がしやすくなって、嬉しいのです。

Ubuntu Desktop 日本語 Remix の仮想マシン

 VirtualBox の仮想マシンが動作しそうなので、Ubuntu Desktop 日本語 Remix の仮想マシンも作ってみました。ダウンロードした Ubuntu Desktop 日本語 Remix のインストール用 ISO ファイルは、そのまま仮想マシンの光学ドライブへ設定するだけで使えるようになります。ISO ファイルを設定して仮想マシンを起動したところ、普通にインストールウィザードを起動することができました。

 後はウィザートの指示に従ってインストールを普通に進めました。動作はかなり重たく、時間がかかりましたが、無事に Ubuntu Desktop 日本語 Remix をインストールできました。

 Hyper-V の仮想マシン内で VirtualBox が動くのは本当にびっくりですね。「もしかしたら動くかも」とは思っていましたが、実際に使ってみて動くことがわかると、やっぱり嬉しいものですね。

 ということで、本日はここまで。

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