KisoJava 2

改訂版基礎Javaを執筆するにあたって意識した事 その2

しばらく、このネタでいこうと思っています。今日、東京駅の近くにある丸善に行ったところ、嬉しい事に目立つところに置いてもらってありました。帯が見えるように置いてもらえると、やはり嬉しいものです。

さて、本書はJavaプログラム初心者のために、Javaプログラムを実行するところから説明を始めています。なぜそうしたのかは、「KisoJava 1」で説明しましたが、実はBeanShellというJavaプログラムをここで紹介しておきたかったというのもあります。本書で詳しく説明していますが、これはJavaプログラムをインタプリタ実行するアプリケーションです。これを使う事により、プログラムを入力したらすぐに実行することができるようになりました。初心者にとっては、入力した命令がすぐに実行されて結果が出るという事がわかりやすいだろうと考えて採用したのです。

オブジェクト指向プログラミングを理解するまでには、「プログラミングの常識」とも言えるいくつかの事項を先に理解する必要があるので、それをインタプリタを使って説明したいと考えました。インタプリタを採用するメリットとしては、すでに説明をした「入力後にすぐ実行できる」ということの他にも、「入力するコードが短くて済む」ということもあります。Javaプログラムはクラスというものを基本単位とするので、例えば「class A { public static void main(String[] args) { System.out.println(0); }」と書かないと動作させることができません。しかし、プログラミングの常識を学習するにあたって、ここで実行したいのは「System.out.println(0); 」のプログラムの部分だけなのです。キーボード入力がなかなかうまくできないうちは、入力が必要なコードが多いと大変です。そんな人にとっては、入力をしたらプログラムを動作させることができるわけではなく、コンパイルしてからでないと動作させることができない、というのはかなり辛いことでしょう。さらに、コンパイル中にエラーがでたときには、サンプルとにらめっこしながら、どこがおかしいのかと文字の比較をしないといけません。こういった作業はもちろんプロフェッショナルになるなら乗り越えないといけませんから、避けることはできませんが、本書ではこの作業はずっと先にいってからになります。

ということで、Javaの文法を使って書いたプログラムを実行できるインタプリタを探したところ、ちょうどBeanShellという素晴らしいJavaアプリケーションがあったので使わせてもらう事にしたのです。このアプリケーションのおかげで「1行から実行」を実現する事ができました。感謝、感謝です。また、知る人ぞ知る、ですが、BeanShellはJDK6から導入されたScriptingFrameworkにも対応しているはずなので、これを知っていて損をする事はありません。もっと有名になってもおかしくないJavaプログラムのうちの1つだと個人的には思っています。とはいえ、このあたり、Eclipseがいい、NetBeansがいい、JDKだけでいい、BlueJがいい、と色々な意見があると思いますので、好みで分かれるのだと思います。

KisoJava 2」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: hiro345

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