これからの時代は高い要件定義能力が必要ですよね

以前からずっと感じているのですが、「なかなかソフトウェアの要件定義というのは難しいものだなぁ」という思いが最近ますます強くなってきています。どうもイメージが合わないのですね。自由に作れたほうが良いだろうと考えて、あまり細かいことは指定せずに、「こういう目的で、こういうものが欲しい」ということを伝えて作ってもらうと、その目的から結構離れたものが出来上がってくることが多い気がしています。業務知識が必要だとか、そういったレベルのものではなく、すごく単純なアプリだと思っているものでも発生しているので、どこかに問題があるのだと考えています。

それで、いまのところ「簡単な要件定義であっても、できない開発者が多い」という仮説をたてていて、こちらからある程度の要件定義をすることと、開発者の要件定義力を高めるために「はじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまで 」みたいな書籍を読んで、短時間で要件定義ができるようになったほうがいいのだろうと考えています。

この本は、わかりやすい文章で、具体的なノウハウが詰まっています。分量も少なく、ポイントをしぼって説明されているので、2、3時間もあれば、ざっくりと読むことができます。実践するには、これを片手に簡単なソフトウェアや、経験したことのあるソフトウェアの要件を定義すると良さそうです。最初のうちは、自由度が高いと決めないといけないことが多くて大変なので、ある程度の制限がある前提で、要件定義とソフトウェア設計をする方がやりやすいかもしれません。

ドキュメントを用意するより、プロトタイプを作って具体的に検討改良をするというのが、最近のトレンドですから、こういった要件定義は軽視されがちです。しかし、目指すべきゴールを共通で認識できるようにするためには必要なものになるので、開発者の能力として要件定義ができるようになりたいものです。わかりにくい要件定義書も世の中にはたくさんありますから、それを良い要件定義、自分が理解しやすい要件定義へ変換できるようになるためにも、この力は必要でしょう。

経験があると、クリティカルな機能はどのあたりか、というのがわかるようになりますが、未経験分野のソフトウェアを開発しないといけないことも多くなっているでしょう。時代の流れが速く、利用可能な技術、インフラ、といったものも流行り廃りが激しいからです。そんな時代に生き残るには、開発のスタート地点である要件定義をする能力が高いことは当然要求されることになります。身につけたいものですね!

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