技術の基本をおさえておくことが大切

10年後通じるエンジニアになる方法 | おごちゃんの雑文」を読んで、大体同感といえば同感なのだが、やっぱり「技術の基本をおさえておくことが大切」ということではないかと思っているところ。

当たり前だけど、基礎がないと応用ができなくて、できることが少なくなってしまう。そして基本をおろそかにすると、ミスも多くなり後戻り工数が増えて、どんどん余計な作業が増えていって、本来やりたかったことが、どんどん先送りとなっていってしまう。基盤なしで先発調査をしているところでは「慎重かつ大胆に、しかし確実に進む、場合によっては撤退」という能力が必要で、基盤を作るところでは「基礎からしっかり時間をかけて必要なことを進めていく、場合によっては勇気ある撤退」という能力が必要なので、それぞれ別のことが要求される。このあたり、いま自分がやっているところはどこなのかを意識しながらエンジニアリングをしていかないと、基盤作りなのに時間をかけずに穴だらけの不安定なものを作ってしまったり、先発調査で全然先に進まないで基盤を作ってしまったり、ちぐはぐなことになってしまう。

純粋なエンジニアは経営に関して興味はないだろうが、世の中の多くの会社やコミュニティはある種の経営の元に存在しつづけていることを考えると、それらの経営について考えてみるのは悪くないはずだ。経営を考えるということは「戦略、作戦、戦術、兵站」という視点で分析すると言ってもいいかもしれない。残念ながら技術的に優れているからといって普及するというわけではないので、その技術を発表したところが、どういうところなのか、ということは意識をする必要がある。メジャーなところが出したものはもちろん普及する可能性は高いが、やはり受け入れられないものも多い。大会社が出してくる技術ほど、「戦略、作戦、戦術、兵站」という視点で見るのが良いと考えている。一方、オープンソースで知らない開発者や会社がぽっと出して広まってきたようなものに対しては純粋に技術的に優れているかどうかで判断しても良いだろうと考えている。前者は芸能プロダクションが育ててメジャーデビューさせるようなことをしている場合が多いのに対し、後者は実力があって地元で人気があってメジャーデビューしている場合が多いからだ。

ちなみに、「戦略、作戦、戦術、兵站」について、簡単に説明すると次のようなものになると考えている。

  • 戦略:成果をあげるために何をするかのおおすじ
  • 作戦:戦略に応じて、計画して実行するもの
  • 戦術:作戦実行にあたって使う技能、技、手段
  • 兵站:作戦実行にあたっての基盤となる人・物・場所

「中央突破部隊が陽動をして、背後から奇襲部隊が攻撃をして本陣をたたく」というのは戦略。「ライバルが新しい据え置きゲーム機を出すといったら、こちらも似たようなものを出すといって注目させておいて、本命の携帯ゲーム機を極秘開発して電撃発売」みたいなのも戦略でしょう。

「陽動は誰が担当するのか、具体的にどうするのか、撤退の合図はなにか、といたことを決める」のは作戦。戦略ではあげたい成果や、その成果を出すためにどういう道筋を考えているか、というのはでてきますが、おおすじしかわからないので、それを具体的に計画に落とし込む。陽動部隊の作戦と奇襲部隊の作戦と両方の作戦をまとめる作戦が必要になるはず。

「奇襲部隊は隠密行動に必要な技能を持つ者から構成、陽動部隊は持久力が高く、目立つ者から構成」といったことになり、それぞれの作戦に必要とされる技能が戦術。

「それぞれの部隊に必要な武器や防具、食事の用意」といったものが兵站。これがないと、そもそも戦えない…。お金があれば大体揃えることができるのかもしれませんが、お金があっても手に入らないものもあるので、そういったものを持っているところは、それをうまく使った作戦をたてることができますね。

話が脱線したが、要するに「技術の基本をおさえておくことが大切」と考えているっていうこと。

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