システム仕様を5W2Hで表現できるのか?

「5W2Hの7項目で必要なシステムの説明と機能を表現すれば、外部へ開発を委託できるのではないか」というブログ記事をみかけました。そのブログ記事執筆者は3ヶ月500万円ぐらいの見積もりが1年1000万円かかり、結局欲しいと思っていたシステムにならなかったという経験があるということで、外部への開発委託の難しさを知ったそうです。しかし、「5W2Hで説明が正しく伝わるのなら、みんな苦労していないはずだろうな」というのが読んでみての感想です。

最近は、マインドマップを使って、重要視している項目を挙げるというのが良さそうな気がしています。あとはテンプレートを用意しておいて、必要項目を埋めていくと、自然と仕様書ができあがっていきそうです。どんなシステムであっても目的がありますから、それにとって最適だと思われる方法で実装していけば良いだけなのですが、大抵やりたいことに対してコストが大きくかかるので、採用できないということになりがちです。しかし、システム化できると、長い間使えば使うほど減価償却できますから、それを考慮してバランスがとれるところで妥協点を見いだせれば、開発する意味がでてきます。この妥協点というのが、なかなか見いだせないというのが、本質的な課題なのです。

ちなみに、さきほどのブログ記事での5W2Hでは、Why(目的)、Who(ユーザ)、What(扱うデータ)、How(利用する技術・ツール・機能)、When(利用時間)、Where(利用場所)、How many(利用頻度)について、システム単位/機能単位で説明するようなことが提案されていました。これらは要件定義をする上での基本ですから、説明がないとシステムが作れないというのは正解だと思いますが、逆にこれらの説明なしで、どうやってシステムを開発したのかが気になりました。「よくなんらかのものが完成したなぁ」というのが正直なところです。ちなみに、通常のビジネス用語で5W2Hだと、最後のHがHow much(いくら)となるので、間違えないように気をつけないといけません。

えらそうなことを書いていますが、身の回りで似たようなことはしょっちゅう起きていますから、コミュニケーションは大変だなぁ、という当たり前の結論がでるだけですかね。

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