思いつきをすぐにカタチにするWebサービス

少し古いのですが、「WEB+DB PRESS Vol.54」に掲載されている「Webサービス即日開発」という特集記事を読んでみています。

経験を記事でまとめているものなので、実践的内容となっていて面白いですね。開発プロセスは普通のサービスと同じで「企画、設計、開発、運用、チューニング」という順番で、ちがうのは「プロデュースも含めてこれらを全部ひとりでやってしまう」という点です。こういうのは、どうしてもアイデアに頼った一発芸サービスになりがちなのですが、記事執筆者の和田氏は執筆当時20サービスほど稼働させていて、いくつかの主要サービスをまとめると60万PV/日を実現しているということでした。インフラ系は今後IaaSやPaaSの普及によってクラウドに任せることができるようになると、ますます個人でもいろいろなサービスを手軽にできるようになりそうです。というか、すでになってます。

マネタイズを考えておかないと、アクセス数が増えてきたときにサービス継続ができなくなってしまうのですが、マーケティングをしないとユーザにヒットするサービスがわからないという世界もあります。思いついたサービスを動かしながら、その中でマーケティングをしてマネタイズをするというのが、これからの主要なサービス開発になる気がしています。

企画編ではアイデアについて説明があります。Webサービスでは、機能面からサービスを考えるより、どういうアプローチでユーザに新しい体験をしてもらうか、という点にオリジナリティを見出すのが良いそうです。そういわれると、確かにBlogは「個人新聞の発行」ですし、Twitterは「つぶやきの共有」といったあたりに新しい体験があって普及したと言えます。あと、よく言われていることですが「自分が欲しいサービスから考える」というのが、わかりやすく、モチベーションも高く維持できることについても説明があります。

設計、開発、運用、チューニングについても説明があって、Perl, Railsで実装の話もありますから、面白いです。ただ、少し古いかもしれません。最近の情報の方が良くて、このあたりに興味があるなら、「Webサービスのつくり方 ~「新しい」を生み出すための33のエッセイ (Software Design plus)」を読んでみると良いかもしれません。この特集記事の執筆者が書いた書籍で、意識の高い人には勉強になるはずです。

同じカテゴリの記事: Book