3DSは将来性のあるプラットフォームなのか

「ニンテンドー3DS、日本国内では勢い取り戻す──岩田社長 – http://me.lt/7vNhO
に対して、「きびしいのだな。身の回りではPSPより3DSを所有している人の方が多いのだがなぁ … 」というコメントをつけてツイートしたところ、教えてもらったのでブログに書いてみます。

教えてもらったのは、下記の2点。

  • 3DSは発売から9ヶ月のハード・ソフト売上でDS・PSPよりも上
  • 国内はゲーム機史上最高の立ち上がりだが、海外の立ち上がりが遅い

これを見ると、「きびしい」というコメントは的外れにも見えますが、「任天堂の業績が好転しているわけではない」ことに変わりはないのと、「将来好転しそうだ」とも見えないので、まだ「厳しいなぁ」という感想は変わっていません。書いてたら結構な分量になったので、ブログの記事にすることにしました。記憶をたよりにしているので、間違えていたらすみません。

ハードウェアで赤字でもキラーアプリの販売で回収するというのがゲーム機のビジネスモデルとしては確立している手法ですが、今回は、ハードウェアの赤字を回収できるほどのキラーアプリが不在であることが根本的な問題としてありそうです。また、従来のゲーム機ユーザはある程度ついてきていますが、ライトゲームユーザが最近スマートフォンゲームや携帯電話ゲームに流れていてゲーム専用機の新規購入につながりにくい状況になっていることが将来的な問題としてありそうです。

販売不振が言われた時期に、キラーアプリの発売予定について発表はされていたかもしれませんが、3DS販売に直結せず、3DS発売同時に出たタイトルでは計画通りの販売ができていなかったと記憶しています。年末商戦にはキラーアプリとなるタイトルの投入を予定していて、その通り投入をしてきたわけですが、現在も発売前に見込んだ台数を達成できそうにない見込みのようなので、やはり3DSのキラーアプリは不在に見えます。

販売台数が過去に比べても遜色なく、逆に良いということに対しては知らなかったので驚きましたが、そうだとしても、黒字になる見込みではないわけですから、ビジネス的にはまだ安心できない状態だと見えます。現状は、利益確保を優先するか、台数確保を優先するか、という判断が必要になった時点で、値下げをして台数確保を目指しているところなのでしょうが、対策がそれだけでは足りないように見えます。

もらったコメントによると、国内については明るい見通しとなったようですが、世界市場では見通しが悪いということですから、やはり安心はできません。また、海外ではiPhoneが強敵ということですが、国内でも、すでにゲーム専用機はフィーチャーフォン、スマートフォンとも闘っているのはご存知のとおりです。実際のところ携帯ゲームやスマートフォンのゲームにより、ゲーム専用機ユーザ(特にライトゲームユーザ)がそちらへ流れていることに対して決定的な対策はできていないように見えます。ライトゲームユーザのゲーム専用機への引き込みが従来からの課題のはずですが、そのユーザが携帯電話(スマートフォン含む)ゲームにとられてしまっているので、ここをなんとかする対策が見えてこないと、厳しいことに変わりはないのだと考えています。

任天堂のビジネスモデルはタイトル用ROMの生産コントロールが肝なわけですから、ゲーム会社がこのモデルに乗ってこないと高利益率は実現できません。ですから、「ゲーム会社が魅力を感じているプラットフォームが、いまはどれか」は任天堂も気にしていて、そのプラットフォームを提供できるようにと、いろいろと手を打っているわけですが、なかなか決定打がないようです。任天堂としては、良質のゲームタイトルを出し続けてブランドを維持するしかありませんが、これはなかなかに大変なことです。おそらく、タイトル用ROM生産コントロールに依存したビジネスモデルを維持したままクラウドの世界へ移行できないか検討しているところでしょうが、どうやるのですかね… AndroidベースのNintendroidとか出してくれると面白いのですが。

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