地域の小さなSNSでも、実名でSNSへ登録する人がほとんどいないという実態がありますが、なぜなのでしょうか。とりあえず、SNSといいつつ、実際はインターネットの中に存在する規模の小さいネットワークだというだけの話で、結局インターネットで発生した実名公開の問題点というのはSNSでも発生するということなのではないかと思います。実名公開のリスクを考えると、匿名で活動したいということなのでしょう。
mixiが出会い系サイトとそれほど大差ないものになってしまった時点で、実名で登録していた人や実際の顔写真を使っている人というのは登録解除をして別名で登録したり、顔出しをやめたりしているのを見ているのですが、そのことを考えると、これから新しいSNSへ登録するというときには、ハンドルネームのようなものをつけて登録した方が、のちのち炎上したときのことを考えると安全なのでしょう。しかし、そうだとするとSNSは匿名による会員制のサイトと対してかわらないのではないか、というのが正直な感想です。
SNSは紹介者が誰なのかがわかるという点で、信頼性をある程度担保しているはずなのですが、現実社会でも隣に住んでいた人が実はある宗教団体の人だったけど、知らないで対立する宗教団体の人に紹介してしまったとかいうことは、よくある話のような気がしますから、同じようなことがSNSでも発生するのではないでしょうか。そうすると、SNSの中へ知らないうちに、「あやしげな情報起業家」(よく知りませんが、まっとうな情報起業家も、たぶん世の中にはいるのでしょうから、そういった人は別とします)などを招待してしまう人はやはりいて、そういう人が入り込んでくる可能性は否定できません。
そういった人が3つ、4つの捨てアドレスを使い、かつ、そのうちの1つでネカマをやれば、そこにひとつのグループを作成することができてしまうでしょう。あとは、種まきをしてから、必要ない捨てアドレスで登録したアカウントを解除して、収穫するというのは、それほど難しいことではなさそうです。もちろん、そのために行わなければならない労力も馬鹿にはできませんから、普通の倫理観を持っている人は、こんなことはできないのですが、世の中にねずみ講とかマルチ商法が実在することを考えると、こういったことに労力を割ける人は確実に存在します。
などということを、ちょっと考えてしまいました。偽装事件、捏造事件が現実社会でも発生していて、それのきっかけが匿名者による告発だったりするので、匿名の利点を完全否定するわけではありませんが、実名公開のリスクに対して、それを超える実名の利点が見いだせないというあたりが、いまのところ気になっている点でしょうか。まぁ、情報社会となって情報の流通が増えてきている結果、なんとなく仮想芸能社会がネット上に蔓延しているような気もしますから、芸能人が本名ではなく芸名を使って活動しているのと同じように、みんなネット上では芸名ともみなせるハンドル名を使って活動をするのもありではないかという気もしますが、どうなのでしょう。
ちなみに、ハンドル名というとパソコン通信時代の言葉のような気がしますが、いまどきは何と呼んでいるんでしょうかねぇ。アカウント名かな。