「月3万円ビジネス」というのを提唱している人がいて、話題になっているようです。内容をあまり読んでいませんが、こういうのには興味があるので、まずは自分で成立するか考えてみることからやってみます。
複数の仕事をかけもちすることでリスク分散をすることは可能ですが、複数の仕事を持つと、時間配分をどうするかといった調整にも時間をとられるため、あまり楽にはならないはずです。「時間をずらしていくつかのアルバイトをやってみる」と考えてみるとわかりやすいはずです。単価の安い仕事を複数請け負って、時間をずらしてやっていても効率はよくないのですね。そのため、普通は同じところでアルバイトをして、そこのスキルを上げることにより、時給を上げたりします。例えば月9万円の仕事で良いと割り切るなら、同じところで9万円稼げる時間だけアルバイトをし、残りの時間は自由気ままに過ごすということになるはずです。ところが、アルバイトのような仕事というのは単価が安いので、9万円/月というのは、そこそこ大変です。まぁ、大学生とかだと、頑張って9万円/月を稼ぐ人もいるようですから、それほど困難ではなさそうですが、時間が余りまくるかというと、そうでもないでしょう。
そうすると、単価の高い仕事をしたくなるので、起業した方が良さそうだ、という話になります。月3万円程度のビジネスなら起業ができるかもしれないと思いそうですが、ビジネスモデルが確立されている分野というのは競争が激しいので「売り」がないと成立しません。例えば、「お菓子を原価+3万円分売ればいい」といっても、世の中にはおいしいお菓子がたくさんあるので、自分が売るお菓子に何かしら特長がないと選んでもらえないわけです。そういうよく知られているものを売るのではなく、独自製品を売りたいということになると、その価値を理解してくれる人が増えてこないと売り上げはあがらないので、そこそこ資金がないと売り出せません。こういったことを考えると、なかなか手軽というものでもなさそうです。
若い頃から、月3万円程度のビジネスにチャレンジしてみるのは良いかもしれません。ただ、家族がいたりして養うという話になると、それでは足りなくなってくるので、年を取るにつれて月3万円ビジネスの数を増やせるようになっていないといけないはずです。月3万円ビジネスのエキスパートにならないとやっていけないわけですね。そこで、月3万円ビジネスのエキスパートって何かと考えると、「ある分野についてそこそこ通用するスキルを複数持つ人」ということで、頭脳明晰スポーツ万能みたいな秀才型の人であれば成功するかもしれません。天性型はある分野で突出するので、こういうのは向かないでしょう。それで凡人はどうかというと、ある分野についてそこそこ通用するスキルを複数持ったとしても、凡人並みにしかどれもできないわけですから、「学生アルバイトよりちょっといい」ぐらいとなってしまって、それほど稼げるわけでもなさそうです。
ある会社組織の中で一生を過ごすつもりでいると、その組織内でしか通用しないスキルに特化したスキルアップをすることになり、結果として他の組織では通用しない人になってしまう場合もあります。公務員などは、役人の事務作業などは得意になって行政に関係する法律に従った仕事はできるけど、いわゆるビジネスという観点から仕事をみることはないので、他の分野の仕事ではからっきし駄目ということになります。一方、月3万円ビジネスをやっていれば、そういった心配はなさそうです。つぶしが効く、ということになりそうですが、各分野においての専門性は低いままになりそうなので、結局、それほど変わらない気がします。
ここで、月3万円ビジネスはレッドオーシャンビジネスにすぐになるようなものがターゲットとなりそうなので、同じ職場は長続きしないと仮定します。たぶん性格にもよりますが、新しい世界で友人をどんどん作れるような人にとっては、月3万円ビジネスは魅力的にうつりそうです。仕事がなくなりそうになったら、次の仕事へ移ってしまえばいいのですから。人付き合いが苦手で職場がしょっちゅう変わると、環境の変化についていくのに苦労するような人は、同じ職場で専門性を高めた方がよいかもしれません。仕事を変えても、次の仕事に慣れるまでそこそこのストレスを感じて大変だからです。
こういうことを考えると、結局のところ、どちらの生活が楽しいか、という話になりそうですね。普通に兼業農業とかをしていても良さそうな気がしてきますけどね… どうなのかなぁ。最近は農家になるためのハードルもそこそこ高いのかなぁ。たまにはこういうことを考えてみるのも面白いですね。