Java EE実装にみるオープンソース版と商用版のビジネス

GlassFishについてニュースが流れていました。「オラクル、GlassFish商用版を廃止へ。参照実装の役割は変わらず。商用サポートはWebLogicへ一本化 - Publickey」ということで商用サポートはなくなるそうです。Apache Tomcatが参照実装として人気があって、いまでも継続していることを考えるとGlassFishの今後はOSSとしてどれくらい人気を継続できるのかが課題となるのでしょう。

Java EE7 の参照実装として、GlassFish 4 が開発をされているので、新しいものが好きな開発者はそちらを追えば良いということになります。Oracleの寺田氏が下記で解説をしています。

Oracleもこれで商用版はWebLogic、OSS版はGlassFishという棲み分けがされるというメッセージをユーザに与えたことになります。

最近、RedHatもJBoss ASについて、オープンソース版はWildFly(WildFly Homepage · WildFly)として開発して、商用版のみをJBossと呼ぶようになりました。商用版とOSS版の違いが分かるようにするには名前を変更してしまうのがわかりやすいといえばわかりやすいですね。

OSSプロダクトについては、開発リソースを会社が抱えることによるメリットとデメリットがあり、選択と集中という視点から既存のソフトウェアのうちビジネス的に価値が低くなってるプロダクトについてはコミュニティ主体で開発を進める体制へ移行して、会社はビジネス的に価値が高いプロダクトの開発へ集中するという当たり前のことが起きているように見えます。

世界的にもクラウドサービス化の流れは加速的に進んできているので、汎用的なシステム開発・ソフトウェア開発を抱え込むことができる会社というのは数が限られてくるのでしょう。Microsoft Windows v.s. OS X v.s. Linux といった構図が Java EEの世界でも成立するのかもしれません。

開発者の視点からすると、こういった環境下では、ひとつのプラットフォームプロダクトに対してコミットメントをして専門家となっていくのか、アプリケーションレイヤでサービス実装を次から次へとやっていく開発者となっていくのか、どちらかを目指すことになりそうな気がします。

いずれにせよ価値を産み出して入ればビジネスになるので、それをキャッチアップしながらいろいろな開発をしていくのが良さそうです。

GlassFishを使ったアプリ開発については下記が参考になります。

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