メールへの反応について、リアルタイムで反応するのが良い事だと考えている人が世の中にいますが、個人的にはその人は中毒症状状態だと思います。理由は、リアルタイムで反応が必要なら電話を使うべきです。そちらの方がお互いに良い結果を生み出すからです。
メールの歴史を語る必要はありませんが、もともとは手紙の代替物であり、時差が発生する事が前提です。よく言われたのが、電話は相手の都合とは関係なしに割り込みをかける手段であるため、かけるときには「電話にでてもらえるか?」と心配したり、「時間をとってもらえるか?」を最初に確認するといった調整が必要な面倒な手段であるという事を忘れてはいけないと思います。こういった気を使う時点で、電話の使用は却下なわけで、緊急事態であったり、相手が余裕ありそうであると考えられる時以外は使用しない方がいいな、と思っていたりします。もちろん、好きな人へはそんなことおかまいなしで、電話したりしますが、まぁ、ビジネスとは話が別だと言う事で。
それで、電話の代替はどちらかというとチャットではないかと思います。こちらも割り込みをかける手段になるので、あまり推奨できません。会議をオンラインでするためには役に立つので、そういった利用方法には賛成ですが、PCを起動したら常にオンラインにしておけ、というのには猛反対です。会議は事前にアポをとってもらいたいですし、割り込みが必要なほど緊急な事態であるなら電話で連絡、で問題ないと考えているからです。
これまでの経験上、真に差し迫った問題というのは、それほど多くはない、と認識をしているから、のんびりしすぎている面はあるかもしれませんが、IT技術の発達によって、情報伝達のスピードが加速した分、反応速度の速さが絶対的な評価となってしまっていると錯覚しやすくなっている、という危険性を感じずにいられません。論理が飛躍しますが、結果を即座に得られないと満足できない、と自分が考えてしまうと、相手もそう考えているのではないか、と思い始めて悪循環に陥り、最終的には「切れやすく」なってしまうのではないでしょうか。脊髄反射的に反応するということは、知性は介在しないわけで、価値のあるものを創造することにはつながらないと個人的には考えています。知的な生産物を創造する速度が速いということと、反応速度が速いということは、別の基準なので同一にとらえてはいけないのではないでしょうか。